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2009年10月24日土曜日

草食系アニマルスピリット


"アニマルスピリット" (ジョージ・A・アカロフ, ロバート・シラー)

ケインズのアニマルスピリットと違うなあと感じながら読み進めていたら、訳者あとがきで同じことがかかれていた。

「本書のアニマルスピリットは、(途中略)荒々しく行動的なアニマルだけでなく、(途中略)行動しない臆病な弱々しいアニマルも含む、合理的でないものすべてを指す。」

やはり、この本では血気ではないよなと納得。

山形浩生の訳者あとがきを読み、そこで白眉とたたえられた第7章とそのおまけ(付記)は、確かに必読。

また、第7章のカナダの状況と題されたパラグラフ。あまり取り上げられることのない事例なので、参考になる。

なぜか私の読む経済関係の本の議論では、日本銀行の行動に対して批判的なものが多い。それが意見の多数を占めているのならばわかるが、それらの書ではどうもそうではないと著者たちは言っている(少なくても、日本のなかでは。)のに、なぜそうなっているのだろう。

一般向けの書物を権力側が記すことはあまりないということなのだろうか。

権力外の人は、その意見の正当性を広く世間に知らしめないと勝負にならないので、自然パブリシティに力を注ぐのであろうか。しかも失敗しても無くすものは現に権力にいる人と比較して少ないであろうから、自然筆致も勢いのいいものになって面白く、人口に膾炙することになる。

でも社会システム上中枢にいる人の慣性は協力でなかなか変わっていかないということか。