振り返るとYouTubeだけが要因ではない松田聖子ブーム。
この本を読んだことがそもそものきっかけであったことに思い至りました。
著者はクラシックにも造詣があり、フルトヴェングラーやカラヤンを扱った新書も出しています。
この本、題は2人を併記していますが、メインは松田聖子です。
この扱いには納得いかない人もいるかもしれません。
しかし、高度情報化社会との親和性では、やはり松田聖子に軍配があがるのでは。
なんといっても彼女には実体がないのだから。
それにしてもすごい精神力です。根性というのではなく、あえて近しいとすれば、それこそ、企業家精神といってもいいかも。
絶えず未来に向けて投機していく姿勢。投機ではなく、投資か。
ほとんど押しかけ的にサンミュージックに転がり込むそのプレゼン力。無謀力。
スティーブ・ジョブズがNeXTをアメリオに売り込んだことすら色あせるほどでは。
ある意味、サルトルのアンガージュマンを体現している。
ちょうど同じ時期に私は閉塞感に拘泥していました。
彼女は1962年3月生まれなので2つ年配になるわけですが、時代背景は同じな訳です。
アップルの設立は1976年4月、Macは1984年1月の発売です。
彼女のデビューは1980年4月。
あのころ全ては膠のように固まって何もかえられない、かわらないという諦観が 支配的だと思っていたのですが。
勝手に思っていたのですね。今では活力ある時代と振り返る人が大半では。
すさまじい変化はそのあとにやってきました。そしていままた時代が胎動しています。
まあ、そういうことです。